見ていただいてありがとうございます。
3歳の娘をもつ、30代主婦のはつがカエデです。
大学では生物(生命科学)を専攻し、食品検査員として働いていました。
妊娠中は「糖質」がすごく気になりますよね。
「妊娠糖尿病になったらどうしよう…」
食事やおやつで「糖分の取りすぎ」に気をつけているお母さんは多いと思います。
でも「妊婦の1日に必要な糖質量」は、ネットのどこにも載っていないんですよね。
どの程度まで糖質を取っていいのか、量がわからないんです。
ということで「厚生労働省のデータ」をもとに、次の内容を計算してまとめてみました。
- 妊婦の一日に必要な糖質量
- 日本の妊婦は、どのくらい糖質を取っているのか
- 【知りたい方向け】「妊婦の一日に必要な糖質量」の計算方法
妊婦の一日に必要な糖質量
「1日に必要な糖質量」の計算方法は、記事の後半で説明しています。
妊婦の1日に必要な糖質量 (g) は次の通りです。
- 妊娠初期:16週未満
- 妊娠中期:16-28週未満
- 妊娠後期:28週以降
▼18-29歳の妊婦さんの、1日に必要な糖質量 (g)
18-29歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 225 | 262.5 | 300 |
中期 | 250 | 287.5 | 325 |
後期 | 281.25 | 318.75 | 356.25 |
▼30-49歳の妊婦さんの、1日に必要な糖質量 (g)
30-49歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 218.75 | 256.25 | 293.75 |
中期 | 243.75 | 281.25 | 318.75 |
後期 | 275 | 312.5 | 350 |
日本の妊婦は、どのくらい糖質を摂取しているのか
1日に必要な糖質量はわかりましたが、日本の妊婦さんは「平均でどのくらい糖質を取っているのか」気になりますよね。
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査報告」をもとに、妊婦の平均糖質摂取量を計算してみました。
結果を先に言うと、妊婦の糖質摂取量は平均211.5gでした。
「ほぼ座って生活している妊婦さん」の、1日に必要な糖質量はこのような値でしたね。
▼18-29歳の妊婦さん
- (初期)225g
- (中期)250g
- (後期)281.25g
▼30-49歳の妊婦さん
- (初期)218.75g
- (中期)243.75g
- (後期)275g
つまり日本の妊婦さんは、1日に必要な糖質量を守って食事していることがわかります。
ですが、妊娠中はどうしても食欲旺盛になりがちです。
さらに妊娠中はホルモンの影響で血糖値があがりやすいです。
油断すれば「糖質の取りすぎ」になってしまいます。
糖質を取りすぎると「妊娠糖尿病」のリスクが高くなります。
妊娠中も食べ過ぎに気を付けて、いつも通りの「バランスの良い食事」を心がけましょう。
▼妊婦の糖尿病については、こちらの本がおすすめです
▼妊娠中のレシピ本です。私もこの本を読みながら食事を作っていました。
レシピ数も多く、妊娠中に必要な栄養素の話や「糖分の取りすぎの注意について」も載っています。
女性の糖質摂取量はどのように計算して出したのか、次の項目でお話しします。
妊婦の平均糖質摂取量の求め方
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査報告」 には、妊婦の糖質摂取量は載っていません。
炭水化物・食物繊維の摂取量のみです。
つまり糖質摂取量は計算から出す必要があります。
妊婦の平均炭水化物摂取量は 226.8gです。-①
炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものです。
つまり糖質量は「炭水化物 ー 食物繊維」で求められそうです。
妊婦の平均食物繊維摂取量は15.3gです。-②
①炭水化物摂取量から②食物繊維摂取量をひいて、糖質摂取量を求めるとこうなります。
妊婦の糖質摂取量… 211.5g(平均値)
▼妊娠中の「脂質」については、こちらをご覧ください
【知りたい方向け】1日に必要な糖質量を求める計算方法
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、妊婦の場合、炭水化物は「1日のエネルギーの50-65%が目標量」と書かれています。
これだけでは「妊婦の1日に必要な糖質量」がわかりません。
「妊婦の1日に必要な糖質量」 を求めるには、これだけの計算過程が必要です。
順番に求めていきましょう。
① 妊婦の「1日に必要なエネルギー」を求める
妊娠していない女性の、1日に必要なエネルギー量(kcal)はこちらです。
非妊娠時の、1日に必要なエネルギー量(kcal)
ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く | |
---|---|---|---|
18-29歳 | 1750 | 2050 | 2350 |
30-49歳 | 1700 | 2000 | 2300 |
妊婦さんの場合、次のエネルギー量が追加されます。
妊婦のエネルギー付加量
妊娠周期 | 付加量(kcal) |
---|---|
初期(16週未満) | +50 |
中期(16-28週未満) | +250 |
後期(28週以降) | +500 |
つまり、妊婦の1日に必要なエネルギー量はこうなります。
妊婦の1日に必要なエネルギー量 (kcal)
▼18-29歳の妊婦さん
18-29歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 1800 | 2100 | 2400 |
中期 | 2000 | 2300 | 2600 |
後期 | 2250 | 2550 | 2850 |
▼30-49歳の妊婦さん
30-49歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 1750 | 2050 | 2350 |
中期 | 1950 | 2250 | 2550 |
後期 | 2200 | 2500 | 2800 |
②エネルギーから炭水化物のエネルギーを計算する
エネルギーは、炭水化物のエネルギー + たんぱく質のエネルギー + 脂質のエネルギーが合わさった値の事を言います。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、炭水化物のエネルギーはエネルギーの50-65%が目標量と書かれています。
ちなみに、たんぱく質はエネルギーに対して13-20%、脂質は20-30%です。
今回は厳しめに「炭水化物エネルギーの目標量:50%」(つまり半分)と、考えることにします。
妊婦の1日に必要なエネルギー量 ⇒ 妊婦の1日に必要な炭水化物エネルギー量へ換算します。
妊婦の1日に必要な炭水化物エネルギー量 (kcal)
▼18-29歳の妊婦さん
18-29歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 900 | 1050 | 1200 |
中期 | 1000 | 1150 | 1300 |
後期 | 1125 | 1275 | 1425 |
▼30-49歳の妊婦さん
30-49歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 875 | 1025 | 1175 |
中期 | 975 | 1125 | 1275 |
後期 | 1100 | 1250 | 1400 |
これで妊婦の1日に必要な炭水化物エネルギー量(kcal)はわかりました。
③炭水化物のエネルギーから、糖質量を計算する
でも炭水化物はエネルギー(kcal)ではなく、量(g)で表したいですよね。
(食品成分表では、炭水化物はgで表記されていることが多いです)
▼Calbee「フルグラ」の食品成分表
炭水化物は、以下の成分を合わせた値です。
そして食物繊維は0kcalです。
(食物繊維は体内でエネルギーとして使われない)
つまり、炭水化物のエネルギー = 糖質のエネルギー と言えます。
糖質のエネルギーは、1gあたり4kcalです。
なので「糖質のエネルギー量(kcal)」がわかれば、糖質量(g)へ換算できそうです。
糖質のエネルギー(kcal)から、糖質量(g)を求める式は、次のようになります。
糖質量(g) = 糖質エネルギー(kcal) ÷ 糖質1g当たりのエネルギー量(g/kcal)
つまり、このように言い換えることもできます。
1日に必要な糖質量(g)
= 1日に必要な糖質エネルギー(kcal) ÷ 糖質1g当たりのエネルギー量(g/kcal)
(糖質エネルギー = 炭水化物エネルギー)
(糖質1g当たりのエネルギー量(g/kcal) = 4)
妊婦の1日に必要な炭水化物エネルギー量 (kcal) から、 1日に必要な糖質量(g) へ換算するとこうなります。
妊婦の1日に必要な糖質量 (g)
▼18-29歳の妊婦さん
18-29歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 225 | 262.5 | 300 |
中期 | 250 | 287.5 | 325 |
後期 | 281.25 | 318.75 | 356.25 |
▼30-49歳の妊婦さん
30-49歳 | ほぼ座っている | そこそこ動く | 活発に動く |
---|---|---|---|
初期 | 218.75 | 256.25 | 293.75 |
中期 | 243.75 | 281.25 | 318.75 |
後期 | 275 | 312.5 | 350 |
計算お疲れさまでした(^▽^)