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ポケモンSV碧の仮面考察!スグリはかわいそうなのか?

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この記事は「ゼロの秘宝」のネタバレが盛大に含まれます!

閲覧ありがとうございます。主婦のはつがカエデです。

ポケモンは赤→金→ソード→アルセウス→バイオレットとプレイしてきました。

ポケモンSV碧の仮面のストーリー、短かったけど本当によくできているなって思いました。

特にスグリがだんだんとおかしくなっていく姿は、プレイしていてハラハラしましたよね。

でもスグリがなぜあんなにも、オーガポンに執着していたのか。

スグリは「ただ報われない可哀そうなキャラクター」なのか?

主人公が「オーガポンを奪った悪者」のように思えて罪悪感を感じるという方向けに、

オーガポンとスグリに焦点を当てて、ストーリーを考察してみました。

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オーガポンは「ただかわいそう」

ともっこ3匹とオーガポンの話は、昔話の「桃太郎」に似ています。

「キタカミの里に下りてきた悪い鬼から、命を懸けて里を守ってくれたポケモン」

キタカミの里の人々はそう信じて、ともっこ様を大切にしています。

ともっこのポケモンは犬(イイネイヌ)・猿(マシマシラ)・きじ(キチキギス)。

そしてキタカミの里の人々に恐れられている鬼(オーガポン)。

しかしストーリー中盤で、ゼイユとスグリの祖父から「本当の真実」が語られます。

実はオーガポンが被害者で、ともっこが加害者だったという、逆の話です。

ゼイユとスグリの祖父の昔話によると、

異国の地から、一人の男とオーガポンがキタカミの里へやってきました。

ですがキタカミの村人は「見たこともないよそ者」を受け入れませんでした。

(ゼイユも最初は「よそ者はお断りなの」と言ってましたね)

それを不憫に思った村のお面職人が、

男とオーガポンのために、いくつものお面を作ってあげました。

お面をかぶった2人は、村の祭りへこっそり来れるようになり、

そのお面の見事さが評判となり、お面のおかげで2人も村に受け入れられつつありました。

ですがそのお面のうわさを聞き付けた「ともっこ」は、

そのお面を奪ってやろうと、男とオーガポンの住む家に忍び込みます。

偶然そこに居合わせた男が、お面を1つだけ何とか守り抜きましたが、

残りのお面3つは、ともっこたちに奪われてしまいました。

住み家に帰ってきたオーガポンは、男がいないことに気づき、

居なくなった男を探して里に降りると、

3つのお面を掲げて喜んでいる、ともっこを見つけてしまいます。

「男がともっこによって居なくなってしまったこと」と、

「ともっこによって大切なお面を奪われてしまったこと」を悟り、

オーガポンは男が唯一守り抜いたお面を付けて、ともっこ3匹を倒しました。

しかしそれを見ていた村人は「なぜ鬼が怒り狂っているのか」分からず、

「ともっこ3匹が鬼によって倒されてしまった」という事実だけから、

「3つのお面を持ったともっこが、怒り狂う鬼によってやられてしまった」と受け取り、

そして「ともっこが鬼から里を守ってくれたのだ」と都合よく解釈してしまいました。

ともっこを丁寧に埋葬する村人たちを見たオーガポンは、

その仕打ちに傷つき、悲しみ、ひとり裏山の洞窟へと帰っていきました。

つまり里の言い伝えとは逆で「オーガポンは被害者で、ともっこが悪者」だったんです。

なぜ里の人々が「まちがった昔話」を広めてしまったのかと言うと、

人は「わけのわからないもの」に恐怖を抱き、自分に都合のいい理由を付けて、

気持ちを納得させようとする(合理化する)性質があります。

そして「世界の不公平さ」を嫌います。(公正世界仮説

つまり里の人々は、オーガポンが「なぜ怒り狂っているのか」わからなかった。

そしてともっこがオーガポンによって、倒されてしまった場面だけ見た。

オーガポンが怒り狂った「理由」を知ろうとせず、

オーガポンがともっこによって、ただ一方的に被害を受けた被害者と受け入れられず、

「オーガポンはやっぱり悪者だった。よそ者はやっぱり受け入れるべきではなかった。

そしてともっこは里を守ってくれた存在だ」と自分に都合よく解釈することで、

「世界の不公平さから目を背けようとした」という話だと思われます。

オーガポンは何ら非もなく、ただただかわいそうなポケモンです。

ゼイユとスグリの祖父が「スグリは繊細で、勘の鋭いところがある」と話していたように、

スグリはオーガポンが悪者ではないと、昔から感づいていたのだと思われます。

ですが里の人々が「鬼が悪い」と信じているので、誰にも言えなかったんですね。

カエデ

DLC番外編では、ともっこを支配していた「親玉」が登場し、

オーガポンをバトルに出すと「オーガポン」が怒ります。

ともっこをバトルに出すと「親玉」が怒ります。

つまり親玉ー支配→ともっこ VS オーガポン

という構図なんだろうなって推測できますね。

(親玉は「ともっこが裏切ったから」怒ってるんでしょうね)

オーガポンとスグリの関係

キタカミの里に訪れると「よそ者はお断り」とはねのけるゼイユに対し、

最初からよそ者の主人公に対しても、優しく接してくれるのがスグリです。

ただその関わり方も「迷惑をかけないように後からついていくから」と消極的。

興味はあるけど怖い、でも仲良くなりたい、そんな距離感で揺れ動いている様子。

というのも、ゼイユとスグリの関係を見てみると、

ゼイユは自分に(謎の)自信があり、誰よりも「バトルで上である」優越感がある一方、

スグリは自分に自信がなく、姉よりも「バトルで下である」という劣等感を抱いています。

なのでスグリは「自分なんて…」と自分を下げる発言をよくします。

そしてゼイユは姉らしく「弟は私が守ってあげなくては」と思っています。

なのでゼイユはスグリが言う事を聞かなかった時に「手ぇでるよ」と言っています。

「上から支配している」わけじゃなく弟の事を守っている、過保護な性格なんですよね。

カエデ

碧の仮面では、ゼイユは「ハハコモリ」を手持ちに加えています。

姉らしく弟を「導いていた・守っていた」と言う感じなのかもしれません。

ですがスグリは自分の事を「姉に守られっぱなしの弱い奴」と、

自分に劣等感を抱き、そんな弱い自分に嫌気がさしていました。

姉は強いからみんなと溶け込めている、逆に自分は弱いから誰とも馴染めない。

弱いから他人に好かれるはずがない、他人に嫌われている。だから強くならなきゃ。

独りでずっと、そんな悩みを抱え込んでいたのかもしれません。

そんな自分の孤独な気持ちを、重ね合わせてしまったのがオーガポンです。

きっと鬼さまも、ひとりで辛い思いをしている。自分と同じだと。

里の誰もが「鬼が悪者」と思い込んでいる中で、

スグリだけが勘の鋭さで「鬼さまが悪者だとは思えない」とずっと主張し、

「ひとりぼっちのオーガポンと友達になること」に執着し続けるスグリ。

ゼイユも「鬼に対するこだわり方が異常」って最初から言ってました。

自分の気持ちをわかってくれるのは、同じ孤独な気持ちを持っているオーガポンだけ。

スグリはそう一方的に思いこんでいたのかもしれません。

カエデ

ひとりぼっちのオーガポンを救えば、お互い「孤独から救われる」

そんな思い込みがあったのかもしれません。

でもオーガポンからすると「いきなり自分を欲しがる怖い人」ですよね。

スグリが一方的に「オーガポンは友達」と思い込んでいるわけですし…。

スグリは「可哀想」なのか?

そんな時に里の外からやってきた、よそ者の主人公。

スグリは「里のみんなは自分の事わかってくれないけど、主人公ならわかってくれるかも」

そう期待して、最初から主人公に「鬼さまは悪くないと思う」と素直に語りはじめます。

里の誰もが「鬼さまが悪い」と信じて疑わない中、とても勇気のある行動です。

そしてレクリエーションを通じて、心を通わせていく2人。

「主人公なら自分の気持ちをわかってくれる」スグリも主人公に心を開きかけていました。

ただ他人との距離感はバグり気味。「(主人公と)一緒に住む?」という選択肢にも、

拒否・不気味がるどころか「ど、どうしよう…」と考えます。普通は断るところです。

他人との接し方に「ほどほど」がなくて「極端」なんですよね。

しかしストーリー中盤で「ともっことオーガポンの真実」を自分だけ聞かされなかった、

そして主人公が「ともっことオーガポンの真実を知っている事」を隠そうとした、

(主人公は祖父とゼイユから口止めされていただけなんですけど…)

このことでスグリは主人公に裏切られた気持ちになり、誰も信じられなくなります。

やっぱり自分の気持ちをわかってくれるのは鬼さま(オーガポン)だけだと。

なので「オーガポンが被害者であり、ともっこが悪者である」という真実を、

人と話すのが苦手なスグリなりに頑張り、里の人々の考えを変えることができました。

「他人の考え方を変える」というのは簡単な事じゃないし、すごい事です。

でもそのすごさをスグリ自身が自覚せず、オーガポンもその頑張りを見ていませんでした。

なので最終的に、オーガポンが心を開いたのはスグリではなく、

ともっこから3つのお面を奪い返すために、各地を巡ってくれたゼイユと主人公でした。

「オーガポンのために、里中を駆け回って頑張ったのに、その頑張りを認められなかった」

「オーガポンが自分を選んでくれなかった」事実を受け入れられないスグリ。

そして「自分が弱いからオーガポンは自分を選んでくれなかったんだ」と、

どんどん間違った方向へ解釈していき、

ストーリー終盤では「勝負に勝ったほうがオーガポンを手に入れられる」と、

オーガポンの気持ちを無視してバトルしますが、それでも主人公に負けてしまいます。

オーガポンは「自分のために行動を起こしてくれた」から主人公と仲良くなったのに、

スグリは「主人公は強いから欲しいものが何でも手に入る」と思い込み、

主人公のように強くなれば、誰もが自分の事を認めてくれる、と歪んだ解釈をしてしまいます。

そしてラストでは主人公やゼイユに対しても、心を閉ざしてしまいました。

碧の仮面で見せてくれた、あの人懐っこい優しい表情は消え、

藍の円盤では「強さ」だけに執着し、弱い者は見下し容赦なく切り捨てる、

そんな変わり果てたスグリの姿がありました。

「主人公でバトルに勝つ(打ち負かす)」ことだけに執着している、

そんな自分を責めたてて戦い続ける孤独な姿を見ていると、確かに可哀そうです。

カエデ

藍の円盤ではゼイユも、

「スグリを変えてしまったのは自分にも原因がある」と感づいており、

でも自分ではどうしようもなくて主人公に助けを求めています。

主人公はどうやってスグリを助け出すのか気になりますね。

まとめ

キタカミの里の人々から裏切られ、独り山にこもっていたオーガポン。

「誰も自分の事(苦しみ)をわかってくれない」と孤独に感じていたスグリ。

スグリはそんな孤独な気持ちを、オーガポンに重ね合わせていました。

「きっと鬼さまも、ひとりで辛い思いをしている。自分と同じだ」

ですがそこに現れた主人公によって、オーガポンを奪われてしまいます。

(奪ったのではなくて、オーガポン自身が主人公を選んだのですが…)

スグリは「友達と仲良くなる方法」を知らないまま育ち、

傷つきたくないからこそ人と積極的に関わろうとせず、

劣等感ゆえに、自分を犠牲にしてでも他人に受け入れられることが、

「友達」になること、だと思っていたんですよね。

「他人に受け入れられる自分」になりたいと必死に思っていた。

ですが、あれだけ想っていたオーガポンに受け入れられず、

オーガポンは主人公を選んだことから「強さがあればみんな認めてくれる」と、

前とは違った形で「他人に受け入れられる自分」になろうとしてしまいます。

だから藍の円盤では、人が変わったかのようなキャラになっています。

つまりスグリは、自分の良い所である「素直さ」「優しさ」「努力」

そして藍の円盤のとあるキャラが言うように「ポケモンバトルを楽んでいる」

そんなスグリの「自分らしさ」をどんどん見失ってしまい、

最終的に「主人公のようになること、主人公に勝つこと」だけに執着してしまいます。

主人公がどうやって、スグリの孤独な心を助け出すのか気になりますね。

カエデ

プレイしていない方は、ぜひ碧の仮面・藍の円盤を遊んでみてね!

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