閲覧ありがとうございます。主婦のはつがカエデです。
ゼノブレイドは123全てプレイしました。
ゼノブレイド2のストーリーでラストは、
「世界(アルスト)の崩壊をヒロインが命をかけて救い、
主人公とヒロインが再び出会ってハッピーエンド」で終わります。
それだけを見れば「超ハッピーエンド」に見えるんですよね。
ただ私はどうも「これで終わりなの…?」と思ってしまいました。
なんか引っかかる、スッキリしない、って思ったんですよね。
その理由を「ゼノブレイド2」の内容を振り返りながら、お話ししたいと思います。
シナリオ総評:ひどくはないがスッキリしない
ゼノブレイド2は「ラスボスを倒してもスッキリしない」感じがありました。
そして最後は「無理やりハッピーエンドにしたのかな」って思ってしまったんですよね。
個人的に「スッキリしない」原因は、この3つだと感じました。
- 色々ストーリーを詰め込みすぎている
- たった15歳のレックスに皆「希望」を抱きすぎ
- 敵側が「あまりに救いのない終わり方」で終わること
なんか話を広げすぎて「話の収集がつかなくなってしまったのかな」って感じ。
中途半端で終わってしまった感があります。
そして「敵側に同情しすぎて」倒すのが辛くなってくるんですよね。
なのでゼノブレイド1が一番「スッキリとした終わり方をする」
ゼノブレイド3は「最後は悲しいけども納得できる終わり方をする」
一方、ゼノブレイド2は「主人公とヒロインはそれでいいだろうけど、
本当にこれで終わりで良いの…?」という感じで終わってしまいます。
なので「スッキリしない感」が残ったまま終わってしまうんですよね。
私がストーリーで気になった部分を3つ説明していきます
▼ゲーム序盤の「ライトノベルのようなノリ問題」はコチラにまとめてます
①ストーリー詰め込みすぎ問題
アルストは「光と影」の強い世界
ゼノブレイド2の世界アルストは「光と影」のある世界です。
ゲーム内でマルベーニが「人は自分では手に入らないとわかったら他人から奪い取るもの」
というセリフがありますが、それが良く表れている世界だなって思いました。
ゼノブレイド2の世界「アルスト」では、
強い力(ブレイド)を手に入れたもの、権力のあるものは良い暮らしをしていて、
ブレイドと同調する力のないもの、権力のないものは貧しい暮らしをしています。
そして「弱きものは強きものに理不尽に幸せを奪われることもある」と言う世界。
結構「格差の激しい世界」なんですよね。まさに光と影のある世界です。
さらに「子供や女性などの弱者」が実験体にされる、性的な被害を受ける、
そんなシーンも(直接的な表現はありませんが)描かれています。
「弱者は強者の餌食にされる」人の醜い部分まで包み隠さず描いている、
それがゼノブレイド2の世界です。
「国同士のもめごと」もややこしい
アルストに存在する国同士も、様々な問題を抱えています。
「自国の問題を解決するために他国から奪い取るための争い」を起こしており、
国民は「国同士の争いの影響」を、もろに受けてしまっている世界です。
インヴィディア烈王国とスペルビア帝国は長きにわたって戦争状態にあり、
インヴィディア烈王国は戦争の長期化で資源が枯渇し、市民の暮らしは困窮。
軍人が市民から食料を奪い取るシーンも描かれていました。
対しスペルビア帝国も、スペルビアの巨神獣の寿命が尽きかけており、
国土の荒廃と資源の困窮に悩まされていました。
そのため自然豊かなグーラを支配下に置きました。
そしてグーラはスペルビアによって「搾取される側」となり、
そのせいで貧しい暮らしをしている村もあります。貧しさは治安の悪化を生み出します。
盗賊によって村をめちゃくちゃにされ、何とか逃れてきた孤児たちが居ましたよね。
孤児達は盗賊に復讐するために、レックスのコアクリスタルを盗み出してました。
「憎しみ・悲しみは連鎖する」をよく表しているシーンだと思いました。
そんな国々の争いで居場所がなくなり、難民となった人々は、
アーケディア法王庁という宗教国家に居場所を求めて移り住みますが、
「戦争の原因はアーケディアにある」と、抗議デモを起こしたりしています。
(確かにゼノブレイド2の争いの原因は「マルベーニ」なんですけどね…)
ゼノブレイド2はそんな「人や国の争いは、一筋縄では解決しない」
という姿を良く描いていると思います。
レックスと仲間だけで「争い」を解決できるのか?
クラウス(アルストの神)も、マルベーニも「人は同じ過ちを繰り返す存在である」
と言っていた通り「誰もが幸せになれる世界」を築くのはとても難しい…。
だからこそ「ハッピーエンド」で終わらせるのは難しい話だなって思いました。
(だからと言って「世界を滅ぼそう」と言うのも飛躍しすぎている話ですけどね)
ルクスリア王国のジークも「自分が世界を救うって意気込んでたけども無力やった」
と言うように「ひとりで世界を救える問題」ではないんですよね。
それに「アーケディア」や「マルベーニ」がいなくなったとしても、
「人は同じ過ちを繰り返すため」同じような人間が登場し、
また新たな問題を引き起こすのは目に見えています。
なのでエンディングを見た後も、
レックスとヒカリ(ホムラ)は「それでハッピーエンド」なんだろうけども、
国々の問題は山積みのままなのでは…と思ってしまいました。
レックスたちはエンディング後も、
仲間とともに「国々の問題を解決するための旅」に出たのでしょうかね。
それとも傭兵団で世界の問題を解決していったのでしょうか。
②レックスに皆「希望」を抱きすぎでは
ゼノブレイド2では、なぜかレックスに皆「希望」を見出しています。
「たった15歳の少年に、みんな世界を託しすぎでは…」と思ってしまいました。
「そんな15歳いる?15歳でそんなことできる?」って思っちゃうんですよね。
なぜか皆「レックスなら何とかやってくれる」って口揃えていいますし、
シンに「(ホムラを守れなくて)無様だな」と言われ、レックスの心が折れかけた時に、
みんな励ますどころか「見損なったよ」「ホムラの気持ち考えたことある?」
って、レックスの心をさらに折ろうとする言葉を投げかけます。
「それはいくらなんでもひどくない?レックスはまだ少年だよ?」と思いました。
15歳にしては「背負わされるもの」が大きすぎますよね。
そして「なぜこのシーン入れたの?」と思ったのが、
ラストダンジョンで、クラウスがレックスに「仲間のもう一つの顔」を見せるシーン。
人の「光と闇の部分」を描きたかったのだと思いますが、
『たまたま運よく強いブレイドを手に入れたからって』
『楽園があるからって聞いて、信じてついてきたのに』
なんて仲間が「内心レックスに恨みや妬みを持っている」事を見せつけられます。
そんなもの見せられたら、疑心暗鬼にもなるし、人の事を嫌いになってしまいそうです。
それなのに「この世界は好きか?」ってジークに言われて、
「(バーンのように)憎い奴もいるけど大好きさ」と言えるレックスは、
あまりにも「よくできすぎた人間」だなって思いました。本当に15歳…?
③敵側は「とにかく消滅する」終わり方に疑問
レックス達の敵として登場するのが「マルベーニ」と「シン・メツが属するイーラ」
どちらも「世界や神に絶望し、世界や神を滅ぼそう」と願っている敵です。
ですがマルベーニもシンも、もともとは悪人ではなく、
むしろマルベーニは「人を救いたい」、シンは「争いを好まない」性格でした。
ですが「理不尽な目に合って、人や世界を憎む」ようになっていきました。
そしてメツはマルベーニの影響を受けてしまっただけ。
なので敵側も「完全な悪」とは言えないんですよね。
だから「倒したら終わりで済む問題じゃないのでは…」と思いました。
ですが「敵キャラ」なので戦闘しますし、結局倒すことになりますし、
シンに至ってはマルベーニを道連れにして消滅してしまいました。
なのでエンディングを迎えても「ハッピーエンドなの…?」と思っちゃうんですよね。
とくに「シン」の最後があまりにも報われなさすぎます。
マルベーニは最後「お母さん」と会えたのに、
シンは「力を使い果たして消滅」って、あまりにも悲しすぎる…。
マルベーニの悲惨な生い立ち
マルベーニは幼少期に、足を負傷した母親と野盗から追われ、
母親が身代わりとなってマルベーニを助け、母親は野盗に×されてしまいます。
マルベーニは大切な母親を、野盗によって理不尽に奪われてしまいました。
さらにアーケディア法王庁で救民活動を行っていた際、
自分が助けた兵士が、民家を襲って赤子に手をかけようとしている姿を目撃。
赤子を助けるために、マルベーニ自ら兵士を始末します。
このことからマルベーニは「人は愚かで救いようのない存在である」と、
人や世界を憎み、無意識で「世界の破滅」を願うようになります。
マルベーニの影響を受けた「メツ」
そしてマルベーニが持つ「破滅願望」の影響を受けてしまったのがメツ。
マルベーニの精神に強く影響を受けたメツは、
自身を「イレーサー(消去者)」だと思い込み、世界の破壊を行い続けます。
メツの同調者がマルベーニじゃなかったら、メツも違う人生を送っていたのでしょう。
メツも「同調したドライバーが悪かった(運が悪かった)」としか言いようがない。
有名な(?)メツの「酷い世界だろ ここは」のセリフは、
「酷い世界しか知らなかった」メツ・マルベーニの悲しさがよく表れていると思います。
マルベーニによって幸せを奪われた「シン」
そして、マルベーニやメツの「世界の破滅願望」のとばっちりを受けたのがシン。
シンは「イーラ王国」で、ラウラという良きドライバーと出会い、
幸せな毎日を送っていました。元々は「戦いを好まない性格」だったのだとか。
しかしイーラ王国にもメツの手は迫っており、
メツを討伐すべく、イーラ王国の王子アデル&天の聖杯ヒカリと協力することとなり、
仲間とともにメツに挑み(聖杯大戦)、メツを退けることはできました。
ですが聖杯大戦の余波で、イーラ王国と巨神獣3体が沈んでしまいました。
それを見てヒカリの力を恐れたマルベーニが、イーラの残党の殲滅(せんめつ)を指示。
(マルベーニはこの頃、自分の事を「神の代行者」だと思い込んでおり、
「自分の存在を揺るがす存在」が許せず、排除しようとしていたため)
その戦いに巻き込まれて、シンのドライバーのラウラは致命傷を負ってしまいます。
▼ここまでの話は「黄金の国イーラ」で描かれています。
ラウラとの思い出を忘れないように、ラウラの心臓を自身の胸に埋め込みますが、
ラウラという「生きる目的」もなくなり、この先の人生に絶望したシンは、
やがて「ブレイドを人間の都合のいいように作った神や世界を滅ぼそう」と願うようになります。
ゼノブレイド2本編では「コアクリスタルを奪うためなら手段を選ばない」ようになり、
メレフやカグツチいわく「たくさんのスペルビア兵が犠牲になった」と言われています。
イーラ時代とは打って変わって、冷酷な性格に変わってしまいました…。
メツは「自分がシンの生きる目的(ラウラ)を奪ってしまった」事を知っており、そのためゼノブレイド2本編ではシンに協力しています。
(黄金の国イーラでは「敵同士」だったんですけどね)
だからメツも「心の無い完全な悪人」ってわけではないんですよね…。
「倒したら終わり」という問題ではない
このように、敵側にも「悪人になってしまった事情」が描かれているんですよね。
なので敵なんだけども「これは倒したら済む問題なのか」と思ってしまいます。
結局シンは「暴走したマルベーニ」を止めるため道連れにして消滅しますし、
メツも「世界の破壊を止めたい」レックス達と戦い、負けて消滅します。
「自分が神に一番近い存在であること」にこだわった故に、
色んな国や人々を巻き込み、甚大な被害をもたらしたマルベーニはともかく、
シンやメツには、もう少し救いがあってもよかったのではと思います。
というか、シンは完全に「とばっちりで酷い目に合った」としか言いようがない…。
せめて最期に「ラウラと再会できた」くらいの演出は入れてほしかったな。
だから「レックスの元へヒカリ(ホムラ)が帰ってきてハッピーエンド…」で、
済む問題ではないんじゃないかなって、色々思ってしまうんですよね。
あまりにも「犠牲になった者」が多すぎて、その者たちの気持ちを考えたら、
心から「良かったね」とは思えないんですよね…。
ゼノブレイド3のミオのセリフで「私たちが目的を達成できたとして、犠牲の上に成り立った命に何の価値がある」というものがあります。
ゼノブレイド2をクリアした後の感情は、これに近いです
それにアルストに土地ができて「住む土地が無くなる問題」が解決したとしても、
各国のいざこざは解決したわけではなく、それこそ新たな争いも起こる事でしょう。
争いによる「難民・孤児・貧富の格差問題」だってあるわけですしね。
色々「これでハッピーエンドでよかったのかな」と感じる終わり方でした。
色々世界観を広げすぎて、収集がつかなくなった感を私は感じました。
まとめ
ゼノブレイド2は面白かったです。けど、何か「スッキリしない」感もある。
ゲームではあまり語られない「人の醜さ・闇」にスポットを当てて、
「敵側にも「悪役になる事情」があった」って話は良く描かれていたなって思います。
ただレックスが「15歳にしてはあまりに「できすぎた人間」」なのが、
どうもしっくりこないというか「そんな少年いる?」って感じになりましたし、
敵側の方に同情してしまって「敵側を倒したらそれで解決するんだろうか?」
という気持ちになってしまいました。
(特にシンは最後が報われなさすぎて、悲しくなってしまいました…)
さらに国同士の争いなど、世界観を広げすぎたために「話の収集がつかなくなった」
と言う感じがあり「あれでハッピーエンドとして終わってよかったのかな」
と、そんな「スッキリしない」気分で終わってしまいました。
一番クリアしてスッキリするのはゼノブレイド1ですね。
3も賛否両論あるみたいだけど、私は納得する終わり方でした。
2が一番「うーん…?」って感じる終わり方でした。
▼「超王道ストーリー」は1、「命の大切さを描いている」のは3です
▼ゲーム序盤の「ライトノベルのようなノリ問題」はコチラにまとめてます